【4話】ケーキ
949： 名無しさん＠お腹いっぱい。 投稿日：2011/11/07(月) 17:34:00.51昨晩言ったぞ
まぁたまには良いか愛してると言ったのは結婚式の新郎挨拶の時だけだしさ
俺と嫁は所謂幼馴染み
変な話に聞こえるかも知れないが俺は嫁に出会った記憶が無い
俺と嫁は保育園から高校まで同じ所へ通っていた為だ
付き合い始めたと言うよりも何となくそんな関係になったのは中学生の時か
無論、周囲の幼馴染みや同級生が面白おかしく後押ししてくれた感は否めないが
あれよあれよと物事は進み結婚してン十年
勝手の解らん俺はお前らがそうしている様にケーキを携えて会社から帰宅
いつも通り迎えてくれる妻
「ん」と声になら無い声でケーキを差し出すと「どうしたのコレ？」と今までしたこと無い
俺の行為に疑問符を浮かべるので「女性社員が話してた今流行りのなんだかって
ケーキだ」とついつい誤魔化してしまった
まぁ嘘ではない実際この小さいくせに無駄な価格のハイカラなケーキが人気だと話してた
ただ俺から女性社員に「ケーキは何が流行ってるんだ？」と聞いた事を抜きにすれば
いつも通りスーツから部屋着へ着替え手を洗い食卓に付き無言で食事を食べる
俺の妻の飯は美味い 結婚してこの方残した事が無いくらいだ
良い味の飯は言葉が詰まると俺は思うのだがどうだろうか？
話が逸れた実行した結果を話そう
飯を食っている最中に言った、大袈裟に何かするのも気恥ずかしいし俺の柄ではないので
ただ一言「愛してるぞ」と飯を食ってる最中に言った
妻は俺の顔を見て固まってしまった、その次は困った表情を浮かべた
そしてヘラヘラと言葉では表現しにくい表情に変わり「私も」と応えた
そして俺は下を向いて飯を食い続ける、今また顔を上げたら飯の味が解らなくなる気がする
妻は飯を食ったあとにケーキを嬉しそうに食べていた
就寝時、妻が後ろから抱き締めてきた、寝づらいが気分は悪いものでは無い
ありがとう感謝する 以上
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