【84話】ブーケ
268: 名無しさん＠お腹いっぱい。 2011/05/07(土) 21:23:37.17このGW、震災の影響で全く仕事の休みがなかった。
乳幼児を二人抱えて大変な妻に、一日くらい休みをあげてリフレッシュさせて
やりたかったが、それができなかった。
昨日仕事帰り、ふと思い立って、妻にブーケを買うことにした。
不況で小遣いを減らされたので、店頭に飾ってあった小さなブーケしか
買えなかったが。
帰宅して無言でブーケを差し出すと、妻は、えっ？えっ？と
驚いたが、口元が緩んで喜んでいるようだった。
俺は率先して子供たちを風呂にいれ、寝かしつけを買ってでた。
子供たちが寝た後、上機嫌の妻は、珍しく晩酌に付き合ってくれた。下戸なのに。
「この連休は悪かった。どこにも連れて行ってやれなくて。いつも
子供の世話や家事をありがとう。こんな小さな花束しかやれなくてごめんな。」
と言うと、妻が思い切り抱き付いてきた。
「そんなことないよ。こちらこそいつもありがとう。愛してる。」
最後は殆ど聞き取れないような声だったが、先に台詞を取られてしまった。
「それ、俺が言うつもりだったのに。俺も、愛してる。」
実際は方言丸出しのかっこ悪い言い回しだったが、ちゃんと言った。
妻は顔を真っ赤にしていたが、そのあとすぐに、何とも妖艶な表情で、
実に濃密なキスをしてくれた。
妻のシャツの下から手を滑り込ませると、
妻が言った。
「あ、今週は無理だから！」
というわけで、来週もげてくる。
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